消えない罪 サンドラ・ブロック

映画

私にはブームの波がある、その復活。インターネット配信で映画を気軽に観ることができなかった2005年〜2010年頃はもっぱらTSUTAYAにお世話になった。DVDに移行するかしないかのビデオの時代、TSUTAYAの「棚」にある面白くなさそうなモノ以外の映画をほぼ見尽くして、もうええか!となり一旦趣味からはずされ、数年前からまたコンスタントに盛り返している。今では遠い過去の作品は題名さえ大方忘れてしまっているが、フィルマークスというアプリを聞いてから過去の作品を思い返してはリストに挙げる。


先日はサンドラ・ブロック主演の「消えない罪」(2021)。華があまりない女優さんですが、逆にその地味さが圧倒的な存在感を放つリアルさに繋がる、だから私は好き。年齢を重ねてから出演作が増える典型的な女優さんですよね。20年の刑期を終えて生き別れになった妹を探す、見応えのある作品であった。


もうひとつはフランス映画の「9人の翻訳家 呪われたベストセラー」。フランス映画は独特なニヒルさがありますよね。自嘲に繋がる目線が適度に混ざるので見る人を没頭させないし、どこか人生を諦めた脱力感がある。ちなみに私はフランスが好きだと人に言うと『おフランス〜』と皮肉られたりするが、私は決して煌びやかなフランスが好きなわけではない、むしろ栄華を通り越したアンニュイさに自分の脱力感がマッチするのだ。だから「アメリ」のような田舎臭く滑稽な作品は面白く感じる。もちろんリュック・ベンソン監督のニキータやレオンのハリウッドっぽいのも好き。「9人の翻訳家」の監督はレジス・ロワンヤル。(「タイピスト」という作品も以前観ましたが、こちらは全然面白くなかった。)この作品は時間が二部構成であるところがなかなか、しかしあらすじは言わないでおく。


脳はフィクションであろうとドキュメンタリーであろうと擬似体験を自分の中に取り込む。つまり感情を育み、新たな自分を創造するらしいですよ。