ドラマ・ペーパーハウス

映画

Netflixの連続ドラマ「ペーパーハウス」が完結して、余韻に浸っています。まず強盗集団が造幣局に立てこもる。強盗といっても印刷された紙幣を盗むのではない。大量の紙幣を刷るための時間稼ぎのため。そして主人公の「教授」が野暮ったくも知的です。


しかしこのドラマの面白さは脚本なんですよね。ストレスが溜まると主導権争いや仲間割れが日常茶飯事で「教授」以外の全員は犯罪歴のある逸脱者であるため、不信感は常にある。主人公「教授」との連絡は防御された情報システムの外部接触のみの中で警察との交渉や人質もいる、などの設定で巧みに人間心理が描かれます。


元囚人の実行犯たちの「囚人のジレンマ」からの脱却が、このドラマに垣間見ることができますが、アクセルロッドの実験結果によると、利己的に裏切る者は不の連鎖により破綻する。圧力が掛かる中で人間は、負の連鎖に陥るそうですよ。


また、信頼への計画性という考え方では、情報処理能力を伴う理知的な人は客観的視点による綿密な計画を練ります。そして机上の理論だけでなく経験値となる洞察力や推理力も併せ持つ。最後まで諦めない持久力の鍵は、不確実性への対処が自分の計画性への信念と勇気によるものだそうで、失敗も考えた戦略を持ちます。このような人が実際の世界では認められると天才と呼ばれますよね。