パーソナルスペースの観察①

社会学的考察

国土の3分の2が森林である日本は沿岸部に人が集まり、雑魚寝や障子、襖文化が形成されてきました。それは狭い空間を便利に合理的に生活できる知恵でしたが、その反面日本人は人口密度が高くストレスを受けやすい国民。


エドワード・ホールはアメリカの文化人類学者、建築家に読み継がれています。パーソナルスペースについて書かれた「かくれた次元」では、一般的に人との距離感と思われがちなそれを、生物全体の混雑時に起こる「臨界空間」についての章がある。動物間であればカニの密集した海の地底を想像すればわかりやすく、同種内で生存の危機がもたらされた場合の、混雑時に間引かれる原理の共食い。農作物なら人が間引きますが、人は行動範囲を自由に行きし悲惨な目に合うことはありませんが、生理学的に、病理学と過密人口は関係するそうです。


それは意識に反することかもしれないと思わせるのは、生体反応のストレスが原因になるから。大勢の人の中で息詰まる時、広い公園で過ごすことや散歩は開放感が持てます。また部屋の全体の大きさに対する物の配置、自分のデクス周りなど空間のスペース作りも大切ですよね。物を使いやすく整理整頓し一連の動作がスムーズであることも快適さの要素になります。自分がデスクに座った時、手の届く範囲が適度な距離感であることや、椅子の脚にぶつかるような頻度が高ければそれもストレス。断捨離やミニマリストが流行るのは納得しますが、インテリア・コーディネーターは日本では身近な存在ではないのも住宅事情のせいなのかもしれませんよね。