紫微斗数には「天府」と「廉貞」という星がある。
天府と廉貞の二人は、骨董市に出かける予定を立てていた。
「天府」は良い物を大事に使い、管理していきたい星。
一方「廉貞」は自分の好き嫌いがハッキリしている星という特徴を持っている。
なので二人の選ぶ基準は全く違っている。
天府は品物の状態を確認し、値段も見て、納得してから選ぶ人なのだ。だから気に入ったアンティーク調のお皿を見ても、一通り見てから選ぶという選択肢を持っている。
そんな天府を尻目に、目に入ったものに惹かれてしまう廉貞は、突然足を止めたりするのだ。
その時は、「大村崑がオロナミンCを持っている看板」だった。
天府は嘘やろ、と心の中で呟いた。
次に目をとめたのは、外国製の「陶器でできた犬」
天府には廉貞の基準が不明だ。
「これ、めっちゃいい!」
「どこに置くん?」
「まだ決まってない。」
「ちょっと怖ない?」
「そこがいいねん。」
「本当にそれ必要なん?」
そして天府は値段を見た。
(まだ看板よりは使えそう、だけど結構な値段やな。)
そして天府は猫足のキャビネットに目を輝かせた。
「これ、いいよな。ちゃんとした木やし、長く使えそう。」
「いらん。うちには合わん。」
天府からすると、「明らかにこっちの方が価値があるやん。」と思うが、
その横で、廉貞はすでに「陶器の犬」を抱えて買う気満々なのだった。
二人の買い物は「これ可愛い!」などと同調しない。
天府はなかなか慎重で、骨董市をぐるぐる見たあげく、結局は丈夫で長く使えそうな「無垢材の飾り棚」を選んだのだった。しかも家に帰れば置く場所までも想定済み。
そして後日、天府は廉貞の家へ遊びに行った。すると、あの犬が部屋にすっかり馴染み、鎮座している部屋は、雰囲気をガラリと変えていたのだった。
天府は「……案外いい部屋になったな。」と思う。
次に廉貞は天府の家へお邪魔することになった。天府の家は物は多い。しかしきちんと全てが収まり、昔買ったものまで大事に使われていることが廉貞を驚かせるのだった。
二人の選ぶものは最後まで違っていた。
天府は、これから先も残せそうなものを選ぶ。
廉貞は、自分の「好き」を優先し、その空間も自分らしく変えてしまう。
お互い、自分にない感覚を少し面白く、新鮮にさえ思わせるのだった。
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前回の記事では、太陽と巨門、それぞれの個性の違いについて書いています。
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