この女性は来年還暦を迎える方で、関東から遠い九州に嫁いでいた。
現在90歳になる母親を心配し、3ヶ月に一度は関東へ帰省する生活を続けていた。そして懐かしい学生時代の友人と再会し、近況を報告しあっている。
この時は大阪へ寄り、私は、「すごい移動距離ですね」と話した。世間話のように話は続いた。
「そうなんですけど、母親は自分が心配されて娘が帰ってきてるとは、思っていないんですよ。」
その言葉に、気丈な母親を連想した。
子供が手を離れた後、夫を置いて帰ってくる。その母親の時代は、娘が遠方へ嫁ぐことの意味が今より重かった。
夫は、「実家のことは、自分で何とかしてくれ。」と、帰省することに文句は言わない。
女性は、帰省費用を稼ごうとパートを始めた。
私には、笑顔の裏にある律儀さや、芯の強い女性が垣間見えた。
四柱推命では己丑の人だったが、努力で何でもやり遂げようとする人だった。
そして、「私は離婚しても大丈夫でしょうか?」と言葉を続けた。
その言葉をきっかけに、私はタロットを展開することにした。
女性の位置には「愚者」。関東へ向かう一人旅の時間を、案外楽しんでいるように見え、そして心はまだ決まっていないようだった。
夫の位置には「ソード9」。夫の方は妻の不在に頭を抱えているようだった。
この女性は来年、還暦の節目を迎える。長年家族のために働いてきた人ほど、ある年齢を境に、自分の人生が戻ってくることがある。
「今はまだ、ご主人のことは様子見でも、いいかもしれないですね。」と、
私は言った。
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