五芒星(ペンタグラム)

占い

絵を描けるようになった子供は不思議と五芒星の一筆書きに夢中になりますが、五芒星には魔除けの意味があることをその当時は知りません。

紀元前のグノーシス主義時代には、ピュタゴラスとその弟子たちは、肉体と精神の調和のシンボルの証として、「ピュタゴラス学派の印」としてこの五芒星を用いました。ピュタゴラス派では数字の5を聖なる数字としています。4つの角を「光・土・風・火・水」の元素、一番上に乗る角の頂点は光とします。中世の錬金術師たちはピュタゴラス派からも影響を受けていますが、その秘境的な伝承では、レオナルドダヴィンチの描いた人体図のように人間が両手両足を広げた状態と頭を線で繋げば五芒星となり、頂点の角は頭の位置となり意思を意味します。

錬金術や占星術が登場する悪魔祓いのゲーテの戯曲、ファウストでは、悪魔メフェストフェレスが登場する場面では、悪魔を封じ込める儀式として、五芒星は護符となり使われます。悪魔を封じ込めるためには、完全に角が閉じていなければならない!というセリフはとても印象に残り、見るものを夢中にさせます。(ちなみに上向きの五芒星は白魔術、下向きの五芒星は黒魔術です。)

中世の錬金術師たちは、ピュタゴラス派の四元素の基本を受け継ぎますが、五芒星の秘境的意義は大きく変化し、タロットの絵柄に引き継がれているもの同様に、火は棒、水は杯、風は剣、土は硬貨と意味づけされます。それぞれに魔術の杖、知性と肉体及び受容性、降霊者の剣で対立物を融合し浸透する力、意志を支える護符の霊的作用を用いることとして、頂上に向けられた五芒星の角は、世俗を超越した精神的な第五元素の光であり、偉大なる宇宙の御神託を受けるために善なる意志の行動をしていきます。この小道具たち、どこかで見たような覚えはありませんか?実はこの光、ハリーポッターでお馴染みの「賢者の石」、です。

日本では平安時代に入ってきたとされ、五芒星は木火土金水の五行が5つの角に順当します。万物全ての気が巡ることと同時にやはり魔除けや魔法陣の役割、陰陽師安倍晴明ゆかりの安倍晴明神社の社紋も五芒星となっています。