ページが茶色くなる前に

タロット

娘が家を離れて半年が過ぎた。

娘の部屋にある本棚は、すでに役目を終えている。

そろそろ片付けようと思った。

この時の情景はまるで、

タロットの「運命の車輪」が巡ってきたみたいだった。

本棚はいろんなものが詰め込まれていた。

思い出の誕生日プレゼントや空箱。

宝島かゴミ箱か、意味不明のものを片付ける。

変色しかけのスタバのタンブラー、

いつ使うかわからない外国の紙幣、

くすんだ銀のネックレス。

誰かが作ったクリスタルのブレスレットだけは

まだキラキラと輝いていた。

娘が帰ってきて

「あれ、どこいった?」

と聞くかもしれない。

 

そして気づいた。

ここに入っているのは、

化粧品のストック、

娘への誕生日プレゼント、

手紙、

そして旅の思い出だった。

 

気づけば、部屋は薄暗くなっていた。

手に持った雑巾は冷たかった。

 

そしてもうひとつのクローゼットを開けた。

そこには息子が置いていった段ボールがあった。

何巻か足りてない「ワンピース」と「進撃の巨人」

取り出すには重すぎた。

私はクローゼットを閉めた。

息子の方は聞いてきたりしない。

いつかは売りに行こう。

 

それから、時間が経った。

クローゼットを開けるたび、やっぱり気になる。

これを懐かしく読む時は来るのだろうか。

ページが変色するのが先か、

私が手放す決心をするのが先か。

答えはまだ決まっていない。