ネットで買ったイーチンタロットが届いた。
箱を開けて一枚一枚カードを眺めていたら、五行易を習っていた時のことを思い出していた。
当時はもう、毎日のように易のサイコロを振り、「どんな卦が出て、その結果はどうだったのか」というメールを先生へ送っていた。そして添削の返信を心待ちにしていた。そして少し疲れた。人は頑張りすぎると限界が来るのだ。少し休もうと思った。
ある日、何気なくネットで新しいタロットカードを探していた時、イーチンタロットが目に留まった。
また再開してもいいかもしれない、易を忘れてしまうのは勿体無い。そう思って私は迷わず注文した。
カードの表面は、朱色を基調にした繊細な模様が描かれていた。
裏面には金色の易卦と墨絵が描かれていた。そして、どのカードにも印象的な赤い丸がある。それはカードによって太陽にも、夕日にも、あるいは魂の灯火のようにも見えて、一枚一枚を眺めたくなるような情景も描かれていた。

ネット詐欺に遭いかけた時には「沢天夬」
忙しさに追われるような日には「山地剥」
そんな以前の易を引いた時の出来事が浮かんだ。
だけど人生には大変な時も忙しい時も平穏な時もあるのが普通。
私は、何が出ても大丈夫だと思い直した。
そして私はカードを引いた。
赤いカードを裏返すと「地風升」のカードだった。
意味は、大地を風が吹き、行く手を阻むものは何もない。
種子から芽が出て、まっすぐ伸びゆく時。
そんな言葉が自然に浮かんだ。
地風升は、少しずつ積み重ねながら前へ進む卦。
しかしまだこのタロットは「卦の形」より先に絵柄が目に飛び込んでいる。
絵を見ただけで意味がパッと入るまで、まだしばらくかかるだろうと思う。
いつか鑑定で使える日が来るといいな。
私はカードを静かに箱へしまった。
今度は、自分に負荷を掛けないようにしながら、カードを引いていければいいな、と思っている。

