鰻の稚魚が豊漁だったので豊漁、値段も下がる兆しです、と今朝のニュース。今年は丑の日が2日もある。「一の丑」「二の丑」と順番もついて、今年は19日と31日が丑の日。土用は夏だけではなく立春、立夏、立秋、立冬の前18日間の4つあるので、万年歴が手元になくても、カレンダーにそれらが書いてあれば、疲れやすい人は身体のメンテナンスや休む時期として目安にしても良い。逆に私はそんなに豊漁なら、むしろ全ての土用の期間に鰻商戦をやってほしい。江戸時代、医者の平賀源内の提案で始まったとされる夏の土用の鰻。長夏の五季を合わせた土用という中医学的観点から夏を重要視したのではないかと想像してしまう。
土用という土の時期は、季節の境目にあって、考えがモヤモヤと模索しやすい時期とされている。これから暑い8月がやってくるというのに、季節の境目とは?という疑問が湧いてくるかもしれませんね。干支を使用する干支暦では、季節を先取る考え方があります。これに24節気という1年を24分割して季節の節目を表すものも組み合わさって、意外と緻密に農耕との計画性が関連している。つまりこの時期、何をする時かがわかる暦。ちょっと脱線しましたが、ちなみに今の土用の時期は、実際には夏本番でも、先月に植物の成長が止まった後の移行期間で、8月にはまだ味のない実がなり始める。自然との共存の中で人間は、今の土用期間に忙しくなる季節の前に体調を整え労わる時期、となっているのです。
ところがこの土用という時期は、何が起こるかわからない怖さも持っています。
五行思想は木火土金水、という季節の循環と方角が定められているのですが、春は木の季節で方角は東、夏は火で南、秋は金で西、冬は水で北、としての方角を受け持っています。そして「土」は、季節移行のための春夏秋冬の間の調整役として役目があり、方角は空間でもありますが、東西南北のどこでもなく「中央」に分類されるのです。土は地球や大地として考えられるそのものの象徴です。(これを土行中央と言いますが、名残として、組織の重要な役割を指すときの言葉で使用します。)結局土は、季節は動くが、不動の大地で動けない矛盾さを持ちます。土は地震などと関連づけられますが、やはり生育と季節感を考えれば、季節はいつも順調ではなく最近の定点豪雨や猛暑、人であれば、季節の変わり目は体調も崩しますし、土用の季節には注意が必要だ、というものも納得できるところです。時間の流れに重鈍だが破壊する怖さ、大地が動くなどからも、今の時期なら特に地震が治りますように、などと願ったりします。